2015年10月1日

粘土食資料

サイエンスライター
ケイ・ミズモリ

http://www.keimizumori.com/articles/clayeating.html
より前文転載


○食材としての土
 土は、必ずしもミネラル不足や飢饉に直面した人々が必要に迫られて食べるような食材とは限らない。ベトナムのある地域では、土を網で焼いて客をもてなす習慣がある。インドのある人々は、新しく作られた粘土製のティーカップに茶を注いで、それを飲み干した後、そのティーカップを食べる。アメリカ南部でも黒人奴隷がアフリカから持ち込んだ土食文化が普及し、今でも調理済みの土がスーパーで売られているという。また、アメリカ先住民は特定の土をイワーキー(Ee-Wah-Kee=癒しの土)と呼んで、疲れ果てた心を癒すために食した。蒸したり炒ったトウモロコシに、粘土、種子、ハーブなどをまぶして食べることもある。さらに南米のある人々は、粘土に蜂蜜と砂糖を混ぜたものを、食後の甘いデザートとして食べる。
 それだけではない。日本でも、アイヌ民族は百合の根と土を煮て食べていたし、フランス料理には、山の土を煮込んでルッコラの根を添えたシンプルな料理もある。
 また、強壮剤として土が食材に含められる場合もある。インドやアフリカの一部の人々は、シロアリの巣に行って、時々蜂蜜を加えて、シロアリと一緒にその土を食べるのだ。
 文明社会で暮らす我々の感覚とは裏腹に、彼らにとって、そのような食べ物は比較的贅沢なものである。つまり、彼らは蜂蜜や砂糖を混ぜた粘土をデザートとして好んで食べるのだ。ニューギニアの北岸部の人々も、土を砂糖菓子のようなものとして食べる。その味は、かすかに甘いものから、チョコレートのように甘いものまで様々である。また、その近隣には、粘土を転がして円盤やチューブのような形にして、塩水をかけ、ココナッツ・オイルを塗った後、あぶって食べる人々も居る。
 このように、世界中の人々が粘土を食材に利用している。ただ、ここで誤解のないように断っておきたいが、もちろん、粘土は食事の一部を占めるに過ぎない。貧困と関連して、粘土の量を多く使うケースも見られる。だが、粘土には豊富なミネラルは含まれるとはいえ、他に必要な栄養素を欠いているため、ヒトは粘土だけを食べて生きていけるものではない。それでも、ヒトが粘土を食べ続けてきた背景には、無視できない神秘的な何かが存在するのである。

○人間は有史以前から粘土を食べてきた
 人類がこの地に誕生して以来、土を食べる習慣は今日まで延々と続けられてきたと考えられている。人間が土を食べてきた最古の証拠は、アフリカのジンバブエとタンザニアの国境にある「カランボの滝」の遺跡にあるという。そこでは、250万年前から200万年前まで存在していたとされるホモ・ハビリスの骨とともにカルシウムの豊富な白い粘土が発見されている。学者らは彼らがその粘土を食べていたと考えているのだ。
 人類史において最初に記録されたのは、古代メソポタミアと古代エジプトに遡る。紀元前2500年頃の古代メソポタミアの粘土板には、粘土が薬用として利用されたことが記録されており、古代エジプトの粘土板においても言及されている。起源は不明だが、オーストラリアの先住民(アボリジニ)のグイアガル族も、粘土を薬として食べてきた。
 また、興味深いことに、アメリカ先住民は、伝統的に毒性(タンニンやサポニンによる渋み)のあるドングリに粘土を混ぜてパンにして摂取する。イタリアのサルディニアでもドングリのパンを作るのに粘土が使われてきた。アメリカ南西部の先住民やペルーのインディオらも有毒なアルカロイド(窒素原子を含み、塩基性を示す天然由来の有機化合物の総称で、植物毒の代表的存在)を含むジャガイモを粘土と一緒に食べてきた。さらに、オーストラリアのアボリジニは、やはり有毒なアルカロイドを含むハエモドルム属(Haemodorum)の植物の根を粘土とともに食べていた。なぜなら、ドングリやジャガイモなどの渋みや毒を粘土が吸収して取り除くからである。粘土なくして、自分たちの健康に深刻な脅威となりうる主食で彼らは生き残ることができたのだ。
のちの医学界に1000年以上に及んで影響力を与えた古代ギリシアの医学者ガレノス(129年頃-200年頃)は、様々な病気に対しては内用で、怪我の治療に対しては外用で薬剤として粘土を利用していたことが記録されている。外用には、患部に湿布として貼ったり、身体やその一部を粘土に浸けることで、怪我、化膿した傷、炎症の治療に利用された。特に、エーゲ海北部に浮かぶギリシアのレムノス島で採れるレムニアン粘土は、赤色光沢土器の材料でもあったが、薬剤として古典古代(世界)全体に知られていたと記録している。

 また、古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(22 /23年-79年)も、「目元を擦ると、それは痛みを和らげ、涙腺から涙が流れるのを防ぐ。出血する際には、酢とともに与えるべきだ。またそれは、脾臓、腎臓、過多月経に悩む人々に対してだけでなく、毒に対してや、蛇に噛まれた怪我に対しても利用される」と、レムニアン粘土が内用にも外用にも利用されてきたことを報告している。

 ○どんな粘土が良いのか?
 筆者が粘土や土という際、自宅の庭、未舗装の道、空き地、農地、公園、山などで、すぐに視界に入ってくるような土を指すのではない。落ち葉や昆虫の死骸、それらを腐敗させる微生物や有害な細菌・寄生虫といった有機物が含まれるような表土でもなければ、化学肥料、殺虫剤、除草剤のような農薬、重金属、その他汚染物質で冒された土でもない。
 興味深いことに、アマゾンの熱帯雨林で暮らすオウムやコンゴウインコが食べる粘土は、表土ではなく、浸食された川岸や土壌が露となった崖から得られるもので、粒径0.2ミリメートル以下の特別なものである。  また、同地区で暮らすマスタッシュド・タマリンも、ハキリアリが下層から持ち上げて形成したアリ塚の細かな土を選んで食べる。  香港の混血のマカクザルも一番細かい粘土を探し、粒の大きな粘土を嫌う。 
 アフリカなどの熱帯地域ではゾウなどの動物が岩を食べる塩舐め場が存在するが、植物が剥ぎ取られ、土壌が露となっている。  概して、塩舐め場には、粒径の小さな粘土が多く含まれる火山性の土壌が好まれる。  NASAが選んだ粘土も、動物たちに好まれた塩舐め場から産出されたもので、成分的にも類似が見られる。  表土を食べるケースも存在するが、多くの場合、動物たちは粒子の細かい特別な下層土を選んでいるのだ。
マスタッシュド・タマリン

 NASAが宇宙飛行士に与えた粘土は、実のところ、粘土の中でも極めて小さい粒子で構成された、モンモリロナイトを主成分としたカルシウム・モンモリロナイトである。 モンモリロナイト(モンモリロン石)は、スメクタイトに分類される珪酸塩粘土鉱物で、海底に堆積した火山灰が長年の地殻変動と風化作用を経て形成されるものだ。 モンモリロナイトという名称は、1847年にフランスのヴィエンヌ県モンモリロン(Montmorillon)で発見されたことに由来する。 約半世紀後に米ワイオミング州にある白亜紀岩層のフォート・ベントン統でも、モンモリロナイトを多く含有した粘土が発見され、ベントナイトと名付けられた。 ただ、ベントナイトはもともと商標とされ、サプリメントとして流通する粘土に対して与えられた俗称にもなったため、モンモリロナイトを主成分としている場合もあれば、それほど含有されていないものもあり、食べるには注意を要する。天然の粘土において、モンモリロナイトが純度100%で存在することはほとんどないため、他の何らかの成分が混ざって存在するのが普通で、その不純物次第で、粘土の品質は決まってくる。カルシウム・モンモリロナイトは、モンモリロナイトにカルシウム分が多く含まれ、動植物の摂取に最適な構成となった粘土である。 
 粘土は、粒径2μm(マイクロメートル)以下の細かい粒子を指すが、モンモリロナイトは粘土の中でも極めて細かい粒子からなり、粒径は主にコロイド・サイズ(1μm以下)からなる。先述のカリフォルニア産モンモリロナイトは、粒径10nm(ナノメートル=0.001μm)という極小サイズまで含まれることが分かっている。
 粒子が細かいことの最大のメリットは、生体がすぐに体内に取り込めるイオン状態になり得、栄養素の吸収に大きな効果を発揮できることだ。また、単位体積あるいは単位重量あたりの表面積が非常に大きくなることがある。例えば、1辺が1cmの立方体の表面積は6立方センチメートルだが、粘土1gの表面積はなんと60平方メートルにも及ぶ。そのため、粘土粒子が濡れると、水分を周囲の不純物とともに大量に「吸収」し、大きく膨張していく。モンモリロナイト(スメクタイト)の吸収性は、イライトやカオリン、ゼオライトのような他の粘土よりも遥かに高いことが分かっている。
 ここで、粘土が吸収性を発揮する前に、粘土の粒子表面に不純物を選択的に「吸着」させる重要なプロセスが必要なことを忘れてはならない。吸収性が高いだけでは、何でも吸収してしまう可能性があるからだ。幸い、モンモリロナイト粒子は強くマイナス電荷を帯びた珪酸塩(薄く平たい結晶)コロイドを形成している反面、人体にとって有害な毒素は概してプラスに帯電しているため、その事実が安定的な吸着効果を促している。 
 それによって、粘土を食べた際、粘土粒子は重金属、毒素、有害化学物質などを効果的に吸着し、それらを粒子の内部に取り込んだ状態で、最終的に排泄されると考えられている。
ネズミは中毒を起こすと自発的に粘土を食べる。チンパンジーも毒性を有する植物を食べた際に粘土を食べる。中央アフリカ共和国のマルミミゾウも毒性の少ない果実を食べる9月にのみ常習的な粘土摂取が減る。動物たちは、植物毒(二次代謝産物)の中和目的だけでなく、下痢・便秘対策、寄生虫駆除を目的としても粘土を食べることが知られている。人間もドングリやジャガイモを食べる際に粘土を混ぜてきたように、粘土には注目すべき解毒作用が備わっていることが分かる。
動物は食事で摂取する栄養素を原動力にして生命を維持している。だが、動物にとって、周囲のあらゆるものが摂取対象の栄養源になる訳ではない。有害な成分を含むものや、その動物の消化器官には消化できないものも多く存在する。そんなものを食べてしまった際、不運な場合は死に至るが、動物は自ずと嘔吐したり、下痢をするなどして、消化器官が有害な成分を危険量吸収してしまう前に、それらを即座に体外へ排泄しようとする。消化器官は人間を含めた動物にとって最も基本的かつ重要な役割を果たしている。健康を得たければ、消化能力を健全に高めると同時に、労わる必要があり、整腸作用は滋養強壮に直結する。
 モンモリロナイトを代表とする粘土は、ミネラルや微量元素を供給するだけでなく、生物の生き残りに不可欠な解毒能力を高めて、整腸作用をもたらす。そのため、昔から下痢、便秘、食中毒対策などの万能薬として、世界中の様々な人々が摂取してきたと言える。

左:粘土粒子は表面にプラスに帯電した毒素を吸着させる / 右:粘土粒子は水分を含むと表面に吸着した毒素を内部に吸収する
○現代病に効果を発揮する粘土食
 古代から人々は粘土を食してきたが、現在の我々が患いがちな病気の種類は古代の人々のそれとは異なってきている。粘土食は、いわゆる現代病にも効果が見られるのだろうか?
 実は、現代においては、粘土食は、過敏性腸症候群の治療において効果を現わし、腸におけるコレステロールの吸収も抑制し、ラットやマウスを使った実験においては甲状腺機能高進症を改善させているという報告もある。また、モンモリロナイトは酸化アルミニウムを含んでいるものの、それはまったく無害であるばかりか、アルツハイマー病を引き起こすと疑われているアルミニウムを追い出し、無毒のアルミニウム化合物へと変化させると考えられている。さらに、ブルーリー・アルサーやカンジダ症などの感染症にも効果があると報告されているのだ。
 モンモリロナイトには、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、リン、塩素といった主要ミネラルだけでなく、鉄、亜鉛、硫黄、銅、クロム、モリブデン、ヨウ素、マンガン、コバルト、セレンといった微量ミネラルが豊富で、例えば、NASAが宇宙飛行士のために試験したモンモリロナイトには、57種類ものミネラルが含まれていたことが分かっている。
 アメリカ国内ではモンモリロナイトは数ヶ所で発見されており、アメリカの生物学研究所(Biological Research Laboratories)は、それらのモンモリロナイトを比較実験している。その結果、少なくとも、コロラド川のデルタ(カリフォルニア州)で産出されるモンモリロナイトには、まったく有害物質は含まれず、摂取を続けると消化酵素が増えて消化管のpHバランスが適切に保たれることを報告している。そのため、モンモリロナイトの摂取により、酵素不全による不耐症が軽減され得ると言われている。
 それに関連して、食物アレルギーも緩和される傾向がある。これには、含まれる豊富な微量元素が寄与していると考えられている一方で、粘土は肥満細胞中に高濃度で含まれるヒスタミンを吸着・吸収する能力を備えているため、過敏なアレルギー反応を緩和するのに一役買っていると言えるだろう。
 さらに、モンモリロナイトはアミノ酸やペプチド鎖の形成に対して触媒として機能すると考えられている。『サイエンティフィック・アメリカン』誌の1979年4月号によると、あるアミノ酸を多様な粘土鉱物の溶液に浸けて、様々な温度と湿度に曝してみた実験においては、粘土が存在しない場合と比較して、粘土がある場合の方が、多くペプチドが生み出されることが見出された。それは、粘土粒子の表面に顕著に現れたものだったが、「タンパク質の変性」に対して有効と言える。つまり、日々の粘土摂取により、タンパク質の変性を防ぎ、タンパク質の生成を最大限に生かし得ると考えられている。
 モンモリロナイトは体の代謝機能を効率化させること――栄養の吸収と毒素の排泄――を促し、ダイエット効果や美容効果にも繋がる。そのため、モンモリロナイト(正確にはカルシウム・モンモリロナイト)は、現代人にこそうってつけの食材と言える。もちろん、現代社会においては健康目的で粘土食を試す人々がまだまだ多くはないため、今後、これまで以上に多くの病気に対して効能が見出されていく可能性も見込まれている。さらに、食用のモンモリロナイト粘土は、乾燥した土地の、もはや有機物が認められない岩層から産出されるため、ほとんど地上からの汚染を受けていないことも注目に値する。


○古代の知恵を蘇らせる
 概して、人間を含めた生物の健康とって優れた品質の粘土は、乾燥した土地に眠る古代の火山性土壌に見出される。その科学的な説明を与えることはできなかったが、かつてアメリカ先住民のヒーラーは、「主に乾燥した暑い気候の土地で、熱水活動の見られる場所に貴重な粘土を見出すことができる」と語っていた。粘土食が広く受け入れられている今日の欧米では、既に触れたような吸着・吸収性に基づいた解毒作用だけでなく、そのヒーラーの言葉も科学的に説明されるようになっている。

 湿った粘土は、熱せられると水分子を失って負電荷を残すだけでなく、含まれるミネラルや微量元素が濃縮される。熱い太陽光に曝された粘土はカチカチに固まり、粉砕すればきめ細かな粒子となり、それは、言わばミネラルや微量元素が効率的に濃縮されたエキスとなる。だが、ミネラルや微量元素を豊富に抱えた状態を維持するには、そのような粘土は乾燥した土地に存在せねばならない。湿度の高い土地に存在すると、すぐに水素とカルシウムの「イオン交換」現象が起こって酸性に傾くのに対して、乾燥した環境においては、カルシウムイオンは水素イオンと置き換えられることはなく、アルカリ性の状態で温存されるからだ(日本でもモンモリロナイトは産出されるが、酸性白土である)。

 天然のモンモリロナイトには、代表的なミネラルだけでなく、かつては不純物と見なされた微量元素も多く含まれている。微量元素自体が具体的にどのようにヒトや動植物の健康に寄与するのか、まだ十分に解明されていないが、植物であれ、動物であれ、人間であれ、生きている細胞内にあって活性化物質、すなわち触媒の役割を果たしていることがようやく評価されつつあり、粘土食によって生じる体質改善に微量元素が深く関わっていると考える研究者たちも多い。
 モンモリロナイトは、それ自体がミネラルと微量元素を供給するだけでなく、生体内の毒素排泄を促す。野生動物たちは、常に植物毒を過剰に摂取する危険にさらされており、そのような毒害を中和させるためにも粘土は重要な役割を果たしてきた。一方、我々は化学肥料、殺虫剤、除草剤、抗生物質などの化学物質にさらされた動植物(食品)を摂取したり、重金属や有害化学物質などに触れる生活を続けている。加齢とともに体内にそれらが蓄積されていくことが危惧され、もっとも重要な対策の一つが、毒素排泄にあると言えるかもしれない。
 粘土食は胃酸のバランスを整え、腸の内側を覆って保護し、食物と一緒に体内に入った毒物を活性炭のように吸着・吸収し、排泄を促すだけでなく、必須ミネラル・微量元素を提供する。モンモリロナイトのような粘土は、毒素やバクテリアを吸着し、腸内に保護膜を作る。そして、1回の摂取でおよそ12時間はその保護膜が維持されることが分かっている。継続的に摂取すると、腸壁を厚くし、潰瘍や腸内出血を引き起こす寄生虫の治療や予防には特に有効とされる。

○欧米で注目される大地の浄化力
 しかし、なぜ粘土はそれほどまでに動植物を癒し健康に導くのだろうか?
 地上の生物は大地から生まれ大地に戻る。母なる大地はあらゆる生物の肉体を作り出す元素を与える。また、大地はあらゆる有害物質のフィルターであり、地上最強の浄化力を備えて万物を自らの母体に戻す。おそらく、読者はここでお気付きになられただろう。これこそが、粘土を特別な存在にしている背景なのである。
 NASAが注目したように、モンモリロナイトが効率良くカルシウムのようなミネラルを供給し得ることは、それだけでも興味深いことである。しかし、多くの粘土食家は、それはあくまでもオマケ程度の恩恵だと考えている。なぜなら、既に触れたように、それ以外の効果の方がヒトの健康にとってもっと重要だと彼らは見なしているからである。
 実は、近年(特に1990年代から)、欧米では粘土食が脚光を浴び、テレビや雑誌などで頻繁に紹介されるようになってきている。いまや世界中の多くの健康食品店では、健康のために経口摂取する粘土が当たり前のように販売されている。アメリカのサプリメント市場では、いくつものメーカーからの様々な粘土商品が存在しており、どのような粘土を選ぶべきか、入門書も出版されている。そして、モンモリロナイトの摂取により、消化器官、特に便秘に影響する結腸の機能が高まり、毒素排泄作用により皮膚の状態も改善させることが認識されている。
 日本では、カルシウムを代表に、ミネラルの摂取量が足りないと指摘されてきて、事実、骨粗鬆症に悩まされる人々が非常に多い。ダイエットや美容を気にする日本人女性も多いにもかかわらず、なぜか日本は欧米の粘土食ブームに取り残されている。特に奇妙なことは、デトックス(解毒)という言葉は普及しているにもかかわらず、その中で最も有名な粘土食がほとんど浸透していないことである。健康や美容には体内の老廃物や毒素の排泄が欠かせず、それを促す必要がある。ところが、体内から体外へと表出してくる毒素を化学薬品で抑え込み、隠そうとする対処法の方が今でもポピュラーである。
 筆者は今日まで3年ほど粘土食を続けているが、半年から1年ほどで皮膚に現れていた吹き出物が消え、長年悩まされてきた下痢や胃もたれといった胃弱体質が改善された。食用粘土は、他のサプリメントと比較すると、非常に安価であり(法外に高額な国産品もあるが)、錠剤タイプも普及している現在、決して敷居の高いものではない。世界的に古代から続けられてきた粘土食や、近年の粘土食ブームに対して、なぜ日本人は無視し続け、王道と外れたデトックス法や様々なダイエット法に手を出しては、挫折している人々が多いのか? そんな現状を見ると、ますます疑問が募ってくる。日本において、なぜこれまで粘土食が浸透してこなかったのか? これはまさに謎である。


【粘土購入に関するアドバイス】モンモリロナイトを代表とした粘土は、動物・ペット用、植物用、水質調整用など様々な目的で国内外で採掘されている。ヒトによる経口摂取を前提としない粘土には、薬品を投与して採掘が行われたり、成分が分析されていない場合もあるため、そのような商品を口にすることは危険である。粘土食を試してみたい読者は、必ず経口摂取を前提とした粘土商品をお求め頂きたい。




前文転載終了

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