2020年10月26日

古代 コンクリート の再現 Ⅱ



私は一昨年より古代セメントによるローマンコンクリートを調査・研究・試作をしてました。

現在使われているコンクリートは数十年後からに徐々に劣化していくのに対し、ローマンコンクリートは数十年後からさらに強度を増し数千年から数万年もつといわれています。
私はそれらがまったく間逆の性質を持っている点に疑問とエコロジカルな関心を持ちました。

また今日ローマンコンクリートが使われなくなった背景を知ることで、それを再現し実用化するにはどうすればよいかと考えるようになったのです。

今日寿命の短いコンクリートが使われている背景には医療産業やエネルギー産業同様に従来の産業の維持にあります。また医薬品として十分すぎるほどの価値あるものを一般大衆が手にしないようにあえて意図的に犯罪対象にされてきた大麻にもどこか共通する点があるのを感じずにはいられません。

今日このローマンコンクリートはローマ以外にさかのぼることエジプトピラミッドやアジアの国々、さらに日本の縄文時代にも使われていたのではないだろうか言われています。

そこで、呼び名を包括して以下、古代コンクリートと呼ぶことにしましょう。

このコンクリートの製法は天然のコンクリートから導きだすことができます。

それは、日本で言うところのさざれ石に見出されます。



さざれ石はご覧のように今日のコンクリートを砕いた状態によく似てます。
大小の石をつなぎとめるペースト状のモルタルは石灰と火山灰からなります。

これらがどのようにして硬くなったかを考察していけばわかってきます。

今年に入って私は大分県国東半島の中腹部一帯に点在する岩峰群を知りました。

そしてその岩々がコンクリートの塊状になっていることに注目しました。
それらは全国の神社に奉納されているさざれ石と酷似しています。

さざれ石

さざれ石の大小の石をつなぎとめているのはモルタル状の石灰岩質のものですが、その主成分は石灰と火山灰からなります。

このさざれ石からなる岩峰が国東半島には多く見られます。
その岩峰群を観察すると、その形成は数十万年前にさかのぼることでしょう。






これらの岩峰は一体どのようにして形成されたのでしょうか?

以下、私が意念を用いて探り当てた内容です。

火山が爆発すると火山灰が台地に降り注ぎますが、国東は違います。爆発する力よりも上からの地殻による圧力が強く地下深くで爆発しました。火山灰は地殻で溜まり高熱を発し続け海底の岩盤である石灰岩を高温で焼くことになります。そこに海水が一気に押し寄せて混ぜ合わさり天然のコンクリートが出来上がったのです。

上記の動画を観て頂くと岩峰がうねった龍骨のごとく隆起しその頂上はナイフの刃のごとく先細りしています。
国東半島は火山であったにも関わらず、阿蘇山のように地上噴火する爆発にはなりませんでした。しいて言えば、地表近くの地殻で内部爆発を起こしたに違いありません。
そのせいで地表近くの近くに多数の亀裂が入って、そこに高熱に溶けた石灰と火山灰が海水と混ざり合ってコンクリートのごとく流れ込み冷えて固まった状態が現在の岩峰なのです。

この様にして天然のコンクリートが出来上がった箇所は国東だけでなく全国に点在するでしょう。神社で見られるさざれ石はそのようなところから運ばれたものです。

そこで、私はこの様にしてできた天然のコンクリートを人工的に作るには、高温に熱せられた石灰に火山灰と海水が主要な要素となっていることに気づいたのです。

実際に実験と試作に取り組むことにしたのです。
高温に熱せられた石灰は生石灰となります。生石灰は水に触れると高温になり危険です。そのため一般的には容易に販売されてません。今回は乾燥材として使われている生石灰を使いました。
海水の代わりに塩分濃度3%にするため荒塩を使いにがりを少々加えました。
火山灰と生石灰の比率はモルタル同様に2:1にしてみました。

骨材は軽石を砕いたもを適度に混ぜ強度を持たせました。



流し込む形はピラミッド形、正八面体を半分にした形です。
牛乳パックで型を作り、そこに流し込みました。









結果報告は後日投稿する予定です。

2020年10月18日

古代コンクリート(ローマンコンクリート)の再現Ⅰ

なぜ古代コンクリートは何千年も壊れないのだろうか?
今日使われない理由は? 
 
現在一般的に使われているコンクリートは製造過程で大量の石油を消費します。それによって石油産業が維持できるようになっています。こんな石油依存の時代が200年も続くと地球環境はボロボロになってきています。
現在のコンクリートは200年ほど前に発明された(ポルトランドセメント)に砂・砕石を混ぜてできてます。
水と反応するとすぐに固まるので工期が短かくて済む半面、寿命が短い。サイクルが短いので関連する業界は潤いやすいのです。

それに対して古代コンクリートは混ぜた後、ゆっくり化学反応が進み、長期にわたって強度が増していく特徴があります。
その代わり、一度施工するとほぼ永久的に地上に残り石化していくので現代文明の産業は成り立ちません。
石灰岩や貝殻を焼く窯と火山灰と海水があればできるので、巨大な工場など必要なく極端な話家庭で古代産業を興すことができるのです。

そこで私もこのコンクリートについて更なる研鑽を積み実験することにしました。

古代コンクリートを作るにはまず、火山灰・石灰・海水を混ぜてモルタルを作製し、それをコンクリートの骨材となる軽石と混ぜて型枠内に流し込みます。火山灰と海水と生石灰が混ざると、結合能力を持つ化合物が生成されるポゾラン反応が発生し、凝灰岩ができる時の要領で人工の岩が完成するわけです。

では、なぜこんなにも古代コンクリート(ローマン・コンクリート)の耐久性が高いのかという化学的理由は。
骨材とモルタルの間のミネラルの連晶がヒビを防ぐということにあるそうです。現代のコンクリートの骨材の表面は化学反応を起こさないので構造物が長くなるほどヒビが入りやすいのです。
化学反応の過程でアルミナトバモライトが成長することでコンクリートはより硬さを増していきます。長期にわたって成長しながら硬さを徐々に増していく。まるで生きている有機的な岩ですね。この『成長』は現代では一般的に悪い意味で捉えられる「腐食」のプロセスにあたるそうですが、これを利用して古代のコンクリートはさらに強度を上げるというわけです。


材料は生石灰火山灰海水の三点だけです。
または、
生石灰の代りに焼成した貝殻でもかまいません。つまり科学的成分(酸化カルシウム)が同じであるからです。ちなみに石灰岩とは太古の時代貝殻が堆積し沈殿し圧縮されて硬化したものです。
また海水の替わりに荒塩とにがりを溶かした水でもかまいません。
構造材に使う場合はより強度を持たせるために以上の混合物に軽石やレンガを砕いたものなど吸水吸着が良く軽い材質のものを混ぜます。

【注意】間違って生石灰の代わりに消石灰とかの他の名称の石灰を入れても生石灰ほど固まりません。実は一昨年、私はこの実験に取り組み消石灰を使ってみましたが、屋外に置いておくと数カ月でボロボロになって崩れました。化学反応が全く違うのでしょう。

この動画においては、古代コンクリートは海水など使わなくとも硬化している。

生石灰の入手先:粉末-生石灰【20kg】

一から生石灰を作りたい方は