豊川海軍工廠
従業員約5万6千人、全海軍兵器・機銃の70%を生産していた東洋一の兵器工場
広島原爆投下の翌日に起きた惨劇
なぜあの時、数分前のぎりぎりになって空襲警報が発令されたのか。日本軍は事前にレーダーで敵機の動向を捕捉していたにもかかわらず。
これは広島でも同様なことが起きていた(エラノゲイが日本に向かっていたのを、5時間も前に日本航空隊が、察知していたのに迎撃命令は、下されなかった。そしてなぜか。司令部の防空壕の中にいた将校たちは多少の傷を負うが(爆風やガラスの破片で)、全員無事だったのである。参謀部の人々もほぼ死者はなし)。
またなぜ、すでに日本軍は軍艦も戦闘機も大半失っていたにも関わらず、非戦闘要員である多くの職員・工員・学徒をひたすらそこで働かせていたか。
あの時点で米軍はすでに日本が負けることがわかっていたにも関わらず、なぜ大規模爆撃を仕掛けてきたのか。
そしてなぜそれよりずっと以前に豊橋の陸軍歩兵連隊を攻撃しなかったのか。その時また、なぜ市役所は戦火にあって、隣の兵舎は無事だったのか。
3月の東京大空襲と5月の沖縄玉砕の頃にヒロヒトは無条件降伏したかったが、これを軍部の独走による指令系統のミスと言うのは本当だろうか。
とんでもない不可解なことが起こっているが、それは戦中の混乱のせいだろうか。
我々は「見せかけの戦争」という枠組みの中でこの不可解な疑問を解こうとしては、言い訳を探してはいないだろうか。
視点を変えれば、これではまるで日本軍が米軍にお膳立てしているように思えないだろうか。
大将クラスの軍人が寝返って戦後の戦犯逃れと引き換えにお膳立てしていたと考えれのが通説となっているが、どうやらそんなカラクリは序の口で、真実を隠すための防波堤だったような気がする。
日本人のほとんどの人は、天皇ヒロヒトが、米国に加担し、戦中の本土空襲や広島長崎への原爆投下においても、お膳立てしていたことを知らされていない。
私も鬼塚氏や高橋氏の著書を読むまで、まさか原爆投下を米国と一緒にたくらんでいたなどとは想像だにしなかった。
いったい何ゆえに、そこまで彼を悪魔的行動へと導いていったのか。しかも身内の軍人ならず国民すべてを裏切り、塵あくたの様に扱える悪魔的天才能はどこから来たのだろうか。
戦後のあのとぼけた発言や無能面した様相からは、まったく想像できない。
しかし、今読んでいる高橋五郎の天皇シリーズ4作目『天皇奇譚』を読んでいると、その背景がわかり始めてきた。
その悪魔的行動の原動力は多くの財界人や政治家にも影響を与え現在に至っている。